9月13日(木)
登山計画書を投函してすぐに木道を緩やかに登って行く。本日の予定は、
笹ヶ峰登山口~黒沢~富士見平~高谷池~天狗ノ庭~雷鳥平~火打山~~高谷池
~茶臼山~黒沢池。6:10出発して黒沢池に15:30に到着予定の行程である。

間もなく、【笹ヶ峰一周歩道】を右に分け、さらに木道を進むとブナ林の中を
登るようになる。

登山口から1時間で【黒沢橋】のほとりにでた。
ここに居た2人の方は渓流釣りに来たと言いながら上流に向かって登っていった。
ここで、我等は、「スノーグース」さんに、作って頂いた朝食にした。手作りの
おむすびとおかずで(美味しかったです!)、お腹を満たして20分の休憩で出発した。

いよいよ【十二曲がり】の坂に取り付いた。
急坂を2時間近く掛かってて【高谷池】方面と【黒沢池】への分岐に出た。

ここが、分岐の【富士見平】だが、あいにく「富士山」は見えなかった。
ここから、斜度は緩やかになったが、昨日の大雨で道がぬかり、その先、【高谷池】
まで、ずっと悪路続きであった。

分岐から15分歩いた所からやっと火打山が姿を見せた。右手の山の中腹 に【高谷池
ヒュッテ】も見えた。「わ~!見えた~!」と2人で歓声を上げた。

もう少し先で、左から【焼山】【影火打】【火打山】が並んで見えた。
しばらくすると、笹の原っぱにでた。【高谷池ヒュッテ】まで8分という看板が
あり、足が早まった。突然、「高谷池ヒュッテ」の裏手に出た。表に廻ると目の前に
【高谷池】の湿原は広がりとても気持のいい景色だ。初夏にはハクサンコザクラが
一面に咲くそうだ。

【高谷池】湿原の向こうに焼山、火打山が見える。

テン場からの景色。
トイレへ行き、ザックをデポさせてもらって、軽装で【火打山】に向かった・
「大分、遠くに見えるけど、ここから1時間半で到達できるのかしら?」と
ちょっと、不安になる。木道を行くと登りが始まり、振り返ると

【高谷池】とヒュッテが見下ろせる。静かでずっと見ていたい気分だ。

「わぁ~、楽園だ!」と、【火打山】を背にして、喜ぶY子ちゃん。

「天狗の楽園」でなくて、【天狗の庭】に来た。
池塘の散在する湿原の縁を廻るように進むと、いよいよ【火打山】への登り坂となる。

ひと登りすると、なだらかな【雷鳥平】にでた。
雷鳥は姿を見せてくれなかった。日差しが厳しく木陰の無い、急な階段の登りとなった。
この30分の登りが今回の縦走で一番きつく感じた。

【火打山】(2462m)の山頂だ。お天気は良かったが、雲が湧いてあまり遠望は
きかなかった。
それでも無事、山頂に立てて、2人で握手をした。山頂には若者1名のみ。暫くすると、
もう1人、男性が登って来ただけだった。静かな山頂で昼飯にお握りの残りとパンを
かじったりして、山頂に居る嬉しさを味わった。

山頂から西側を見ると、手前に【影火打】、その向こうに丸い山容の【焼山】、
噴煙も見えた。今年から(?)登山禁止解除になったが道は荒れているらしい。
その左手奥は【金山】。【焼山】との間の奥に【雨飾山】も見えたが、すでに雲に
覆われてしまった。
その日の行程はまだ、2時間以上あるので、13時過ぎに山頂を後にした。

下りの途中、左手を見ると【雷菱】という崩壊した崖が印象的だった。
予定通り、1時間で【高谷池ヒュッテ】に戻り、一休みして、14時40分に、【黒沢池】に
向かった。相変わらず、ぬかるみの道をアップ・ダウンを経て【茶臼山】(2171m)に
着いた。

この、名札がなかったら、【茶臼山】と気付かなかったかも知れない。
暫く下って行くと眼下に【黒沢池湿原】と青い屋根の面白い形の「ヒュッテ」が見えた。
ここで事件(?)が発生した。とにかく悪路で滑るためズルーッと転んだのは、ご愛嬌
黒沢池から登ってきた男性(ヒュッテの管理人)に声をかけられて、宿泊予約を
していなかったので、2人は厳しくお説教された。予約しないと、本当は泊まれない
のだ。結局、お情けを頂いて、たった2人のために引き返して、夕食の用意をして
もらった。

ユニークな姿の【黒沢池ヒュッテ】2階が寝室。まん丸な部屋だ。

美味しかった夕食。おでん、シチューと盛り沢山の食事。完食で~す。
たった、2人の山小屋だ。その夜は、降るような星空に感嘆の声を上げた。
天の川、流れ☆!Y子ちゃんにとって、初めての体験で感動もひとしおだった事だろう。