8月23日・・実はこの日は、やまねの「骨折記念日」。この日は予定が狂うようだ。
予定では鹿島槍をピストンし、冷池で昼飯後、爺ヶ岳に登り返して、種池山荘で1泊の予定だった。
行程8時間半で(1時間少しの昼飯と休憩をいれて)済むはずだった。
時間を戻して、前泊の冷池山荘に落ち着いて、乾~杯!と行きたいが、我等はケーキセットで祝杯。

【冷池山荘のケーキセット】
夕方、雨が降り天気が不安だったが、見事に晴れてきた。5:45に山荘を後に、一路、鹿島槍を目指す
のだが、相変わらず、すぐ上のテン場で遊んでしまった。

【テン場】から雲海を眺める。

「雲海の上に剣、立山連峰が」

朝日を背に受けて【ブロッケン】が現れた。
先日の【五竜岳】山頂での夕日による【ブロッケン】、今回は朝日で体験。

目を転じれば、針の木、蓮華岳方面に昨日、立ち寄った【種池山荘】が可愛らしく見えた。

これから目指す三角帽子の山並み「左から」布引山、鹿島槍南峰、吊尾根、鹿島槍北峰。
景色を堪能し、お花畑に歓声をあげて、暫し(大分)楽しんでいた。

【朝露をまとったチングルマの毛槍】
一番感激したのが、このチングルマ。キラキラと美しいビーズで飾ったような美しさであった。
7:15に【布引山】に到着した。

【布引山(2683m)】山頂
布引山から鹿島槍まで1.5km約1時間で【鹿島槍ヶ岳南峰】に行き着いた。昨日は登りが辛くて
バテたがこの日はとてもコンスタントに登れてうれしくなった。

【鹿島槍ヶ岳(2889m)】山頂

【鹿島槍ヶ岳(2889m)】山頂

山頂から見た【吊尾根】向こうが【北峰】。

【五竜岳】とその向こう【唐松岳】
それにしても【鹿島槍ヶ岳】と【五竜岳】とを結ぶ【八峰(はちみね)キレット】の落ち込み方は
すごかった。【キレット小屋】が良く見下ろせたが、よくぞあのような場所に小屋を作ったものだと
感心してしまう。
この日は先が長いので、冷池山荘に引き返してゆっくりと昼飯を食べようという事で、山頂を後に
したが、途中、大サルが石の上に立ってこちらを見ていた。我等が気づくと逃げて行ったが、
その後、お花畑を通過中、ふと、振り返ると5m位後ろに、反対方向へ行く大サルのお尻が見えた。
すごく大きくて、襲われたらおしまいのような気がして、2人で逃げるようにして、山荘に帰った。

【冷池山荘のお弁当】

【冷池山荘のお弁当】
冷池山荘に着くと、昨日から我等と前後するご夫婦が「今日は種池山荘に100人の中学生の団体が
入るので、大町のペンションを予約して泊まります。急ぎますので」とおっしゃって出掛けていった。
「私達は混んでもいいわね」と、一応、種池に予約の連絡をしてもらった。
1時間もノンビリとお寿司のお弁当を食べ、水を買って、昨日歩いた道を重たいザックと共に、
歩き出した。

【爺ヶ岳】への途中、振り返ると、【冷池山荘】が雲間から見えた。

【爺ヶ岳】への途中、振り返ると、【冷池山荘】が雲間から見えた。
本当に不思議だがこの日は足も体も楽に動く。昨日は山頂に登るのもイヤですべて、巻き道を
選んだやまねだが、この日は【爺ヶ岳中峰】を難なく極めた。Y子ちゃんは昨日、南峰も登った。

【爺ヶ岳(2669m)】山頂
爺ヶ岳を無事、通過して、雷鳥の飛んでいたハイマツ帯で中学生の団体とすれちがった。
やっぱり、100人は多い。Y子ちゃんとの話題はすでに、「種池山荘に着いて、ゴロンとしたり、
5:00の食事が楽しみ」と至福の時を思い描きながらの会話であった。
ところが、種池山荘に入ったとたん、満員で宿泊を断られてしまった。山小屋は宿泊拒否しては
いけない筈。我等を見て、まだ、下に下る元気がありそうと見たようだ。うんと、お年寄りの人は
受け入れている様子。「ここでごねているより、早く降りようか?」と即決し、お詫びのポカリを
持たされて、扇沢に向かった。「下りは2時間半でご案内しています。」といわれ、はじめの
1時間は調子よく行ったものの次第に足がよれてきた。「なんと長いんだろう。よくこんなに登ってこら
れたわね!」なんて話し始めた。

雪渓が昨日の道が堕ちて、裏側を廻るルートに変わっていた。怖かった。
ケルンも過ぎ、扇沢の駅も見えてから、すごく長い。
遂にやまねは目が廻ってgive-up!
10:30頃に昼飯を食べてからまともに食べていないことと水(お茶)の飲みすぎでしょうか?
いわゆる「シャリバテ」。貰ったポカリとパワー何とかと言う行動食を口にしたら、みるみる元気を
回復して、17:15に無事に扇沢の登山口に到着した。「やった!やった!」と2人で大喜びした。
この後、バスで大町温泉郷に立ち寄り、温泉に浸かり、美味しい夕食、ホカホカ布団で幸せな
思わぬ『山小屋?』での一夜をすごした。(この日の行程、扇沢まで約12時間)疲れました。